勃起のメカニズム

勃起のメカニズムED治療薬の効果や副作用を比較するうえで、男性が勃起するメカニズムを知っておく事はとても大切だと思います。勃起には体内のcGMP(環状グアノシン一リン酸)とPDE5(ホスホジエステラーゼtype5)いう酵素が関係しています。


cGMPで勃起しPDE5で萎える

性的な刺激を脳が感知し、興奮することによりcGMPの活動が活発になるます。cGMPは股間周辺の血管を緩和する作用があり、その結果、ペニス周辺の血液流入量が増加、海綿体へも多くの血液が流れ込むことで太く硬く勃起します。

人間の身体は、ひとつの現象が生じると、それを抑えようとする逆の作用も発生します。これが勃起を収めようとするPDE5という酵素です。若い健康体であれば、PDE5よりもcGMPの勢力が強いため、射精までの間、勃起し続けることができるのですが、極度な緊張があったり、加齢により中年以降になるとPDE5の力が強くなる傾向にあります。

PDE5のほうがcGMPより勢力を増すと、最初は勃起していたペニスも途中で萎えてしまいます。いわゆる「中折れ」現象が発生し、性行為の途中(例えば挿入中)であっても、セックスが継続できなくなってしまいます。

勃起には性的な興奮が必要

勃起には性的な興奮が必要cGMPは性的興奮によって生じる酵素ですので、性的な刺激無しでは勃起しません。時々、「試しにバイアグラを飲んだが1時間経っても勃起しない。ニセモノではないか?」という相談を受けますが、バイアグラを飲んでテレビを見ていただけだそうです。ニュース番組を見ていただけでは興奮しませんから勃起しないのは当たり前なんです。

一方、ペニスに直接注入するタイプのミューズという外用薬があります。これは尿道から吸収された成分が直接ペニスの血管に働きかけるので、性的な刺激に関係なく勃起する強制勃起薬です。使い方が特殊であり、EDとは無関係に勃起する必要がある人等が使用するため、ここでは比較検討いたしません。価格も高いのですが知っておく価値はあるかも知れません。

現在、日本で承認されているバイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)、シアリス(タダラフィル)のほか、未承認のステンドラ(アバナフィル)、ザイデナ(ウデナフィル)は、全てPDE5阻害薬と呼ばれる種類です。 どの成分もPDE5を阻害することで、cGMPの働きを継続させて、勃起を維持させる仕組みに違いはありません。


勃起のメカニズムが理解できたら、どのようにED治療薬が作用するのかを学びましょう。ED治療薬の作用についてはこちらをご覧ください。ED治療薬の作用

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