ED治療薬の効果

ED治療薬の効果 ED治療薬で「効果」というキーワードを使う場合、多くの方が「勃起力」を想像するようです。確かに、勃起しなくては意味がありませんから、効果=勃起力と考えるのは当然ではあります。

しかし、実際には「即効性」や「持続時間」もED治療薬を比較評価するには必須な項目であり、それらを総合的に判断し、各個人のライフスタイルや使い方に合致した効果を示すお薬を選ぶことが重要だと考えています。


PDE5の選択阻害効果

現在市販されているED治療薬の内服薬は、全てPDE5を阻害する効能があり、勃起が収まる(萎える中折れ)のを抑止する効果があります。

成分によってPDE-5の阻害率が高いもの(勃起力)、阻害を始めるまでの時間が短いもの(即効性)、長時間阻害できるもの(持続時間)、期待しない効果(副作用)など、様々な要素が関係しています。

各成分の違いの根拠は医学的な比較を知る必要があります。

どうやって効果を得るのか

勃起は性的興奮によりcGMP(環状グアノシン一リン酸)が増加する事によって発現する身体的な症状です。このcGMPの働きを邪魔するのがPDE5(ホスホジエステラーゼ5型)なので、このPDE5を阻害することで勃起の効果を得ようとするのがED治療薬です。


cGMPについて

cGMP(環状グアノシン一リン酸) 環状グアノシン一リン酸は、グアノシン三リン酸から誘導される環状ヌクレオチドです。cGMPは環状アデノシン一リン酸と同様にセカンドメッセンジャーとして利用されており、ペプチドホルモンが細胞膜に結合するとプロテインキナーゼを活性化させる作用がよく知られています。

cGMPは化学式:C10H12N5O7P、質量:345.21g/molで表される物質です。 cGMPの作用は、イオンチャネルの伝導性、グリコーゲン分解、細胞のアポトーシスなどを調整しています。また、平滑筋の弛緩にも関わっており、血管では、血管の平滑筋が弛緩すると血流が増える効果があります。この血管平滑筋の弛緩作用によってペニスが勃起するのです。

PDE5について

ホスホジエステラーゼ (Phosphodiesterase, PDE) とは、広義にはリン酸ジエステル結合(1分子のリン酸が2個の水酸基と結合した構造)の一方の結合を加水分解する酵素です。 これにはホスホリパーゼC・Dのようなリン脂質を分解するものや、核酸を分解するヌクレアーゼなども含まれています。

しかし、一般には、cAMPやcGMPの環状リン酸ジエステルを加水分解する酵素(環状ヌクレオチドホスホジエステラーゼ)を、PDE(ホスホジエステラーゼ)と呼びます。 cAMPやcGMPはセカンドメッセンジャーであり、PDEはその酵素活性のバランスによって、その濃度を調節し、シグナル伝達に重要な役割を担っています。

この「酵素活性のバランス」は身体を平常に保とうとする自然な働きですが、性交時には勃起を邪魔する存在となっています。

哺乳類においてPDEのスーパーファミリーは11種類あり、基質特異性などが異なります。勃起に関連するものとして5型のPDE-5があり、ED治療薬は、この5型を重点的に阻害する効能があるのです。

ED治療薬とサプリメントの違い

ED治療薬の効能はcGMPを邪魔するPDE5の酵素活動を阻害します。要するに勃起するまでのプロセスは、男性が本能的に持っている生殖能力を期待しています。よって、ED治療薬を飲んだからと言って、何も無いのに勃起したりする事は無いのです。

一方、医薬品に分類されない精力剤やサプリメントはどうでしょう? 勃起のメカニズムはcGMPとPDE5のバランスで成り立っています。加齢とともにPDE5の勢力が強くなると、セックスの最中で萎えて中折れしてしまいます。

サプリメント類はこのPDE5を阻害する効能や効果はありません。よって、cGMPの勢力を優位に立たせることを目的に設計されており、性的な刺激で興奮しやすくしたりする媚薬的効果と言っても良いでしょう。

しかしながら、cGMPを極端に増加させることはできないため、PDE5の勢力に負けてしまうと中折れしてしまうのです。そのため、健康食品と謳いながら、成分にシルデナフィルを含んでいる違法なサプリメントも多くあります。

このことからも、ED治療薬の医薬品成分が良く効くことが証明されていると言えるでしょう。


ED治療薬の効果を理解したならば、望まない副作用についても知っておきましょう。ED治療薬の副作用についてはこちらをご覧ください。ED治療薬の副作用

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