バイアグラ(VIAGRA)は米国ファイザー製薬が1990年代前半に開発したED治療薬です。1998年にはアメリカFDA(食品衛生局)が医薬品として認可し、全米で夢の治療薬として一躍有名になり大ヒット商品となりました。
この噂はすぐに日本にも到達しますが、日本では未だ販売されていないため、米国からバイアグラを個人輸入で購入する方法が、ED患者の間でブームとなり、一気に日本でも広まりました。
しかしながら、米国や日本国内でもバイアグラを飲んだことによる死亡例が発生し、世間的にはバイアグラは危険な薬と言うイメージが強く印象付けられました。
ED患者にとって特効薬の無い日本の男性たちは、危険を承知の上でバイアグラを個人輸入で買い求めました。すると、バイアグラの偽物を販売する悪徳業者も増え、健康被害が懸念される状況になったため、厚生労働省は急遽バイアグラを承認する動きを見せ、1999年に異例の早さで承認薬として認可されたのです。
日本で初めてED治療薬として承認され、ファイザー製薬の特許期間中は独占的に販売してきたバイアグラですが、2014年5月に特許期間が切れたことにより、各社でジェネリックバイアグラが生産できるようになり、今では安いジェネリックも流通しています。
設計は古い商品ですが、確実な効果でリピーターから信頼されている成分です。
バイアグラの開発経緯
もともとバイアグラは勃起不全症の治療薬として開発されたわけではありません。ファイザー製薬は狭心症の治療薬として研究開発してきたシルデナフィルという成分の大規模な臨床試験を行っていました。しかし、試験の結果は期待通りの効果が無く、狭心症の治療薬としては失敗に終わったそうです。
ファイザー製薬は余った試薬の回収を指示しましたが、狭心症患者の男女のうち、女性患者からは試薬が回収できましたが、男性患者からの回収率が極端に悪いことに気付きました。試薬を返却しない患者へ問い合わせたところ、この薬を飲むと陰茎の勃起が強力になることが分かりました。
そこでファイザー製薬は、想定外の効果である陰茎の勃起を前面に打ち出して、バイアグラというED治療薬として発売を開始したのです。
狭心症の研究自体は失敗に終わりましたが、その副産物として得た効果でバイアグラができたことは有名な話です。
同様な副産物で効果のある薬には発毛剤のプロペシアがあります。前立腺肥大症の治療薬として臨床実験を実施していたところ、患者から髪の毛が増えたという報告があり、頭髪の育毛効果があることが判明しました。（※プロペシアは日本でも発毛薬として承認されています。）
バイアグラは勃起障害の治療薬ですから、男性用のお薬として扱われていますが、本来は狭心症のお薬として女性も飲めるお薬（成分）です。最近では女性が飲むことによる性感アップが口コミで広まり、インドのジェネリックとして女性用バイアグラも登場しています。
バイアグラの種類
バイアグラはファイザー製薬の商品名ですが、一般的にはED治療薬を総称して呼ぶこともあります。ここでは、ファイザー製薬が発売している正規品バイアグラの種類と、日本で承認されているバイアグラのジェネリック品、そして、インドで製造されているバイアグラ同等品について解説します。正規品バイアグラ（承認薬）
日本で承認されているバイアグラは、1錠の成分含有量が25mgと50mgの2タイプです。この錠剤は、病院でEDの診察を受け処方箋を受け取れば、国内の薬局で処方薬として買う事ができます。ニセモノが混ざる事はありませんので、絶対的な信頼のある安心して飲めるお薬です。
一方、25mgや50mgも個人輸入で海外から購入する事ができます。病院へ行く必要がなく、単価も安いメリットがありますが、偽物も多く流通していますので信頼できる代行店を選ぶことが必須です。
バイアグラのジェネリック（承認薬）
バイアグラは特許期間が切れたことにより、各国の製薬会社がジェネリックの生産を始めています。これらのジェネリックは、自由にネーミングされると何のジェネリックか不明になるため、成分名の後に社名を入れるのが慣例となっています。/p>
バイアグラのジェネリックでは、シルデナフィル(Sandoz)やシルデナフィル(Mylan)などが日本でも承認されていますが、成分量は25mgと50mgが承認されているだけであり、ジェネリックでも100mgは未承認です。
正規品バイアグラ（未承認薬）
ファイザー製薬のバイアグラ(純正品)には100mgという容量の製品もありますが、これは日本では承認されておりません。お薬は体重によって飲む量が変わります。バイアグラは米国で開発された製品であり、欧米人の大柄な体格に合わせて設計されています。
日本人などの東洋人は小柄であり、100mgを服用する事は心臓への負担が大きく危険であるとの判断から、100mg錠は承認されていないと言われています。しかし、本物のバイアグラには100mg錠が存在し、これを半分(又は1/4)に割って飲むことでコストパフォーマンスに優れた飲み方ができることから、個人輸入では100mgを購入する方が9割以上を占めています。
インドのジェネリック（未承認薬）
ジェネリック医薬品としてインドのジェネリックが話題になっています。インドは国際特許法の扱いが異なり、成分が同じでも製法が異なれば製造販売する事が許されています。そのため、特許期間中のバイアグラも、インドでは製法を変えて多くのジェネリックバイアグラが発売されてきました。
インドのジェネリックバイアグラにはカマグラやカベルタという製品がありますが、これは日本では承認されていません。カマグラやカベルタにも50mgの製品がありますが、50mgも承認はされていません。インドのジェネリックは安く個人輸入できるため、国内の製薬会社が販売元となって承認を得たとしても、価格面で採算がとれないために承認薬として扱いたいと思うメーカーが出てこない訳です。
インドの製品は価格が安い半面、衛生面などで不安を感じる方も多いようですが、インド州政府が認めた製薬会社が作るジェネリックであり、ED治療薬だけでなく、鎮痛剤や抗生剤、ワクチンなども製造するメーカーですので、品質面で劣る事はありません。
ある意味、中国産の偽物バイアグラ等は違法な製造であり、不衛生な環境で作られていますので、偽物バイアグラを買うより、インドのジェネリックを買ったほうが安くて安心できると言えるでしょう。
バイアグラの成分と効果
バイアグラの効果は、正常な性行為ができる硬さのペニスを実現、維持することです。この効果はバイアグラの成分であるシルデナフィルの薬効であり、勃起のメカニズムで解説したPDE5という酵素を阻害する作用があるからです。
バイアグラの副作用
バイアグラの成分であるシルデナフィルはPDE5を阻害する作用がありますが、それ以外にもPDE1やPDE6,PDE9,PDE11も少なからずとも阻害しています。これによって副作用と呼ばれる望まない効果が発現します。
副作用は主に、頭痛、ほてり、顔面の紅潮、動悸、息切れ、めまい、鼻水、鼻づまりなどが、軽い症状としてあります。思い副作用には視覚障害や聴覚障害なども報告されていますが、一過性のものであり、効果が切れる頃には副作用も無くなります。
バイアグラの即効性
お薬には飲んでからどれくらいの時間で効果が現れるかを示す即効性も気になるところです。飲んですぐにベッドインしても、まだ効果が現れなければ挿入できません。
即効性はバイアグラの錠剤が溶けて、腸で吸収され、血液中の成分濃度が高まる時間に関係しており、バイアグラの成分であるシルデナフィルの場合は、飲んでから30分～45分位かかると言われています。
飲んで即挿入はできませんが、前戯の時間を長くすれば問題無いレベルでは無いでしょうか？ ED治療薬として即効性のあるタイプではありませんが、それほど不便なこともないと思います。
バイアグラの持続時間
バイアグラの効果が持続する時間は、概ね4時間～6時間と言われています。これは血中濃度が半分になる半減期と言う時間から推測する事もできます。シルデナフィルの半減期は3.5時間程度です。飲んで１時間後に最大濃度に達したとすると、４時間～６時間後くらいまで効果が持続すると推測できます。
バイアグラの飲み方（服用方法）
性行為の45分前までにシルデナフィルとして25mg～50mgを水で服用します。効果の具合によっては100mgまで増量できますが、24時間での最大服用量は100mgまでです。
食事の影響を受けやすいので、食後2時間以上は経過した空腹時の服用が理想です。脂っこい食事の後は更に成分の吸収が悪くなるので注意して下さい。
食事→バイアグラ→セックスという流れでは効果が出ない場合がありますので、バイアグラ→食事→セックスにした方が効果的な場合が多々あります。タイミングを見計らって服用して下さい。
初めてバイアグラを飲む場合は、少量の25mgから始めましょう。多く飲んでも効果はほとんど変わりませんが、副作用が強くなる傾向にあります。慣れてきたら、食後時間の関係などを考慮して多めに飲むかたも多いようです。
バイアグラの注意事項
バイアグラは血管を拡張する作用があるため、血圧降下剤を服用中の方が飲むと、更に血圧が下がり低血圧症を発症する恐れがあります。高血圧や糖尿病などでニトロを使用している方も使用できませ。
バイアグラの値段
バイアグラは病院で処方してもらうのが一番安心できる入手方法です。EDの治療は保険が適用されない自由診療であり、病院によって料金体系は様々ですが、一般的には1錠(50mg)1,500円位が相場になっているようです。 これに初診料や診察料、処方箋料を加算して、1回の診療で4,000円くらいかかるため、一度の通院で10錠くらい処方してもらい、1万5千円くらい払う人が多いようです。
一方、個人輸入代行を利用した場合、未承認の100mg錠が28錠で4万円位です。50mg錠に換算すると56錠分ですから、とてもコストパフォーマンスの高い入手方法なのです。
病院での処方は高すぎると言う方は、個人輸入でバイアグラを注文したり、もっと安いインドのジェネリックに切り替える方も多くいらっしゃいます。
バイアグラについて知った後は、レビトラについても知っておきましょう。レビトラについてはこちらをご覧ください。