バイアグラとレビトラを比較

バイアグラとレビトラを比較 日本で承認されているED治療薬の中で、バイアグラ(シルデナフィル)とレビトラ(バルデナフィル)は、似た特性であり、どちらが良いのか迷ってしまう事もあるかと思います。医学的にデータを比べると、大きな違いも見つかりますが、実際に飲んで実感する効果は僅かな差であることがほとんどです。 このバイアグラとレビトラの差について解説します。


効果の強さ

ED治療薬で効果の強さを示すならば、どれだけPDE5の酵素活動を阻害できるか?ということになります。医学的な比較データを見ると、PDE5を阻害するのにバイアグラは3.5~8.5必要なのに対し、レビトラは0.1~0.7で阻害できてしまいます。

ということは、レビトラの方が勃起力が強いという事になります。しかし、これは飲んだ成分が100%血液中に吸収された場合の話です。生物学的利用率を見るとバイアグラが40%、レビトラは僅か15%です。

バイアグラはPDE5を阻害する能力は劣るが、成分の吸収力が高いので、結果的には強力な勃起力が得られています。

一方、レビトラはPDE5の阻害能力は優秀ですが、成分の吸収力が低いことがわかります。とは言え、阻害能力が高いので強力な勃起が得られるのです。

勃起力と言う効果の強さだけで比較した場合は「 バイアグラ > レビトラ 」と評価されることが多く、バイアグラが有利でしょう。

副作用の強さ

効果を比較するにはPDE5を利用しましたが、副作用はPDE5以外のPDEファミリーを壊す度合いで比較できます。

バイアグラはPDE5を阻害する能力に比べ、他のPDE型を阻害する能力は1/10以下です。一方、レビトラはPDE6-coneの阻害率はPDE5と同等な能力を持っています。

頭痛や鼻づまり、顔面の紅潮などPDE1に関する副作用の程度い関しては、バイアグラもレビトラも同等レベルと判断できますが、PDE6の視覚に関連する副作用はレビトラの方が強い傾向にあります。

副作用と言う負の効果だけで比較した場合は「 バイアグラ < レビトラ 」と評価されることが多く、バイアグラが有利でしょう。

即効性と持続時間

即効性と持続時間を比較するには、Tmax および T1/2 の時間を見る必要があります。

 バイアグラ
シルデナフィル
レビトラ
バルデナフィル
Tmax (h)1 (0.5~1.5)0.8 (0.7~0.9)
T1/2 (h)3~43.2~5.3

Tmaxはお薬を飲んでから、血中濃度が最大になるまでの時間であり、この時間が短いほど即効性があると判断できます。 空腹時か食後かによって大きく左右されますが、バイアグラは概ね60分、レビトラは45分程度で血中最大濃度に達します。この時間に100%になるわけですが、効果は成分が50%吸収された頃から効き始めますので、バイアグラは30分、レビトラは25分位で効果が実感できるわけです。

T1/2はTmax到達後に、血中濃度が半分に低下するまでの半減期を示した時間です。この時間が長いほど、効果が長続きすると判断できます。バイアグラは概ね3.5時間、レビトラは4時間程度ですが、この時間でも血中の成分は半分残っていますので、まだ効果は継続しています。よって、お薬を飲んでからバイアグラは4~6時間後位まで、レビトラは5~7時間後位まで持続します。

このようにバイアグラとレビトラの比較を見ると、即効性、持続時間ともに後発のレビトラのほうが有利で優れている結果となります。

※注意:半減期が長いという事は成分が体内に残留する時間が長いことを意味します。そのぶん、副作用も長く続くと考えられる点にご留意ください。

バイアグラとレビトラを比較した場合の総合評価

レビトラは食事の影響を受けにくいという有利な面もありますが、食事直後の服用では即効性がなくなると言われています。 よって、効果の強さ、即効性、持続時間を比べた場合、バイアグラとレビトラはほとんど差が無いと言えるでしょう。

一方、副作用を考えると頭痛やほてり、鼻詰まりなどは、ほとんど差がありませんが、PDE6に関する視覚障害はレビトラの方が強く出ます。

このような面から考えると、バイアグラに軍配が上がり、レビトラを選択する理由は特に考えられません。 成分と体質の問題でバイアグラ(シルデナフィル)が効かない人が、レビトラ(バルデナフィル)を選択するのが良いでしょう。


ここではバイアグラとレビトラの違いを比較しました。次はバイアグラとシアリスを比較してみたいと思います。バイアグラvsシアリスの比較についてもっと知りたい方はこちらをご覧ください

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